消費税を納める 課税事業者 の会社は、期ごとに消費税の 確定申告 をして、税金を納めます。インボイスの登録をしている会社も、売上の額にかかわらず課税事業者です。

申告書は「消費税及び地方消費税の申告書」という名前のとおり、国の消費税と 地方消費税 をいっしょに書いて、納税地の税務署に出します。

この記事では、一人社長の会社が消費税の申告をするときの流れを、期限を中心に整理します。税額の計算のしかたは扱いません。

書類とカレンダー、矢印でつながった税務署の建物の図

申告の期限は「期末の翌日から2か月以内」

国税庁の案内では、課税事業者は、課税期間ごとに、その終了の日の翌日から 2か月以内 に、確定申告書を出して税金を納めます。法人の課税期間は、原則として事業年度です。期限が土曜日・日曜日・祝日などにあたるときは、その翌日が期限になります。

  • 1月4日(月)10月決算(2026年10月期)原則は12月31日。年末年始の休日が続くため延びる
  • 3月1日(月)12月決算(2026年12月期)原則は2月28日。2027年2月28日は日曜日
  • 5月31日(月)3月決算(2027年3月期)平日なのでそのまま
  • 6月30日(水)3月決算で、消費税の延長の特例を受けている場合申告期限が1か月延びる。延びた期間は利子税がかかる

日付はどれも2027年です。休日で延びる決まりは「期限が土日祝日・年末年始にあたったら」にまとめています。

課税事業者でも、その期に課税される売上がなく、納める税額もないときは、確定申告書を出す必要はありません(仕入れの消費税や中間納付の額があれば、還付を受ける申告はできます)。

申告期限の延長の特例

法人税で「確定申告書の提出期限の延長の特例」を受けている会社は、「消費税申告期限延長届出書」を税務署に出すと、事業年度の終わりの日を含む課税期間の消費税の申告期限が 1か月 延びます。

消費税申告期限延長届出書

延長を受けたい事業年度の終わりの日を含む課税期間の末日まで

法人税の延長の特例を受けている会社だけが出せる。e-Taxソフトか書面で、納税地の税務署へ

国税庁は、事業年度の終わりの日が日曜日などにあたっても、その日までに出さなければ使えないと注意しています。

延長が認められると、延びた期間について利子税 を納める必要があります。e-Taxのダイレクト納付には、申告の前に見込みの額を納めておく「予納」のしくみもあります。また、消費税の延長を受けていても、事業年度の途中の中間申告の期限は、原則として延びません。

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申告までの流れ

決算から申告・納付まで、一人社長の会社がすることを順に並べます。

  1. 課税事業者か確かめる2期前の課税売上高やインボイスの登録で決まる消費税の納税義務の判定
  2. その期の計算方法を確かめる一般課税・簡易課税・2割特例のどれで申告するか簡易課税は、原則として期の始まる前の届出が必要(簡易課税の届出)。2割特例は届出なしで、申告書に記入して使う(2割特例)
  3. 帳簿とインボイスを整える一般課税なら、決まった事項を書いた帳簿と、インボイスなどの保存が、仕入れの消費税を差し引く条件
  4. 決算をする売上や仕入れの額を確定させる自分で決算をする流れ
  5. 申告書を作る計算方法に合った様式で、第一表・第二表と付表を作る
  6. e-Taxで出す法人は、e-Taxソフトなどで作って送る。書面で持っていく・送ることもできる
  7. 期限までに納めるダイレクト納付、インターネットバンキング、窓口など納付方法の選び方

法人税の確定申告も、期限は同じ「事業年度の終わりの日の翌日から2か月以内」です。

申告書を出したあと、税務署から納付書は送られてきません。納め方は自分で選びます。

申告書の種類

国税庁の「消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等」のページには、計算方法ごとに様式が分かれて載っています。

一般用

仕入れの消費税を実際の額で計算する場合

申告書第一表・第二表と、付表1・付表2など

簡易課税用

簡易課税の届出をしている場合

申告書第一表・第二表と、付表4・付表5など

2割特例を使う場合

申告書第一表・第二表と、付表6

簡易課税の届出をしているかどうかで、使う申告書の様式が変わる。2割特例用の手引き(個人事業者・法人共通)もある

法人向けには「法人用 消費税及び地方消費税の申告書(一般用・簡易課税用)の書き方」が国税庁のサイトにあります。

申告書の様式は、課税期間が始まった日 でも分かれています。国税庁のページには、令和8年9月30日以前に始まった課税期間用と、令和8年10月1日以後に始まる課税期間用が並んでいます。自社の期の始まりに合わせて選びます。

申告書には法人番号を書きます。

申告のあと:中間申告の確認

前の期の消費税の年税額(地方消費税を除く)が 48万円 を超えると、次の期から 中間申告 が必要になります。回数は、前の期の確定消費税額によって年1回・3回・11回と変わります。

  • 48万円以下原則、中間申告は不要任意の中間申告の制度はある
  • 48万円超〜400万円以下年1回
  • 400万円超〜4,800万円以下年3回
  • 4,800万円超年11回

金額は、前の期の確定消費税額(地方消費税は含まない)。国税庁「No.6609 中間申告の方法」から。

中間申告の期限は、それぞれの対象の期間の末日の翌日から2か月以内です。国税庁は、中間申告書を期限までに出さなかった場合、前の期の実績で計算した額で申告があったものとみなされるとしています。くわしくは「中間申告」の記事をご覧ください。

なお、国税庁は、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率が引き下げられ、中間申告の計算方法に特例が設けられると案内しています。飲食料品を売る会社は、国税庁の案内を確かめておきます。

自社の消費税の申告期限は、トップの「法人の期限チェッカー」で決算月を選ぶと一覧で確認できます。

参考

この記事は一般的な情報です。会社ごとの判断は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。