法人税や消費税は、申告した税額を、会社が自分で 納期限 までに納めます。国税庁の「国税の納付手続」のページでは、申告書を出したあとに税務署から納付書が送られたり、知らせが届いたりすることはないと注意しています。

国税の納め方はいくつもあり、会社がどれかを選んで手続をします。この記事では、一人社長の会社が法人税・消費税を納めるときに使える方法を、準備・手数料・上限額で比べます。

預金通帳とカード、スマホから、矢印が国庫の建物へ向かう図

法人が使える方法・使えない方法

国税庁が案内している納付の方法は、次の8つです。このうち 振替納税 だけは、申告所得税と個人事業者の消費税が対象で、法人税や会社の消費税には使えません。

法人も使える

  • ダイレクト納付
  • インターネットバンキング等(ペイジー)
  • クレジットカード納付
  • スマホアプリ納付
  • コンビニ納付(QRコード)
  • コンビニ納付(バーコード)
  • 金融機関・税務署の窓口

法人は使えない

  • 振替納税(申告所得税と、個人事業者の消費税だけが対象)

口座から自動で引き落とす方法を法人が使うなら、ダイレクト納付になります。

国税庁「G-2 国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)」の一覧から。

法人税・消費税の納期限は、どちらも原則として事業年度の終わりの日の翌日から2か月以内です(土日祝日なら翌日)。延長の特例を受けている会社の扱いは「消費税の確定申告」を、法人住民税・法人事業税の納め方は「eLTAXの手順と納付」をご覧ください。

方法ごとの比べ方

準備・手数料・上限額を並べました。上限額は国税庁の各ページに書かれているものです。

ダイレクト納付

手数料なし・上限は金融機関ごと

e-Taxの利用開始と、専用の届出書(法人は書面)を税務署へ。利用のおおむね1か月前まで。即時か、期日を指定して口座から引き落とし

インターネットバンキング等

国への手数料なし・上限は金融機関ごと

e-Taxの利用開始と、ペイジーが使える金融機関の口座。銀行の利用手数料がかかる場合はある

クレジットカード

決済手数料あり・1回1,000万円未満

「国税クレジットカードお支払サイト」から。カードの決済できる額(手数料込み)までに限られる

スマホアプリ

手数料なし・30万円以下

e-Taxで申告などをしたあと、受信通知から専用サイトへ。アプリの残高で払う

コンビニ(QR・バーコード)

手数料なし・30万円以下

QRコードは自分で作る。バーコード付の納付書は税務署が出すもの。現金だけ

金融機関・税務署の窓口

手数料なし・上限なし

現金に納付書を添えて納める。領収証書が出る のはこの方法だけ

ダイレクト納付・インターネットバンキング・カード・スマホアプリ・コンビニでは、領収証書は出ません(コンビニは払込金受領証が出ます)。

クレジットカードの決済手数料

クレジットカード納付は、納める額に応じて 決済手数料 がかかります。国税庁の表では、1円〜10,000円で99円(税込)、10,001円〜20,000円で198円と、1万円を超えるごとに加わっていきます。国税庁は、この決済手数料は国の収入にはならないと説明しています。手続を終えると取り消せない点も、国税庁は注意しています。

スマホアプリ納付は、納める額が30万円以下のときの手続です。国税庁は、30万円を超える税額を、アプリで払うために何回かに分けて納めることは控えるよう求めています。

よくある勘違い

コンビニなら、カードや電子マネーでも払える?

払えません。国税庁は、コンビニの窓口での納付にクレジットカードや電子マネーは使えないとしています。クレジットカードで納めるのは、インターネットの専用サイトだけです。金融機関や税務署の窓口でも、カードは使えません。

いつまでに手続するか

方法によって、前もっての準備にかかる時間が違います。納期限の直前に慌てないよう、準備の目安を並べます。

  • 1か月前ダイレクト納付の届出書を出す法人は書面で納税地の税務署へ。登録が終わるとe-Taxのメッセージボックスに知らせが届く
  • 前の日まで期日指定のダイレクト納付は、口座にお金を入れておく指定した日の朝に引き落とされる
  • 納期限まで期日指定で選べるのは納期限までの日土日祝日や年末年始は指定できない。納期限の当日に申告を送ったときは期日指定できない
  • 納期限の日即時のダイレクト納付・ネットバンキング・カード・窓口などで納める即時のダイレクト納付とネットバンキングは、e-Taxと金融機関のシステムが動いている時間に限られる

国税庁「ダイレクト納付の手続」と、e-Taxの「ダイレクト納付」についてよくある質問から。

ダイレクト納付は、e-Taxで申告書を送ったあとに届く「納付区分番号通知」から、「今すぐに納付」か「納付日を指定」かを選びます。申告の期限を延長している会社は、もとの申告期限より後の日付を期日指定できない場合があると、e-Taxのよくある質問に書かれています。

ダイレクト納付の届出書は、個人ならオンラインでも出せますが、法人は書面です。国税庁は、届出書の提出から利用できるまで1か月程度かかるとしています。e-Taxの準備は「電子申告の準備」にまとめています。

なお、国税庁の一覧では、ダイレクト納付は農業協同組合・漁業協同組合と、インターネット専業銀行(一部を除く)では使えないとしています。使いたい口座が対象かは、国税庁の「利用可能金融機関一覧」で確かめます。

選ぶときに見ておくこと

  • 金額:30万円を超えるなら、スマホアプリとコンビニは使えない
  • 領収証書が要るか:要るなら、金融機関か税務署の窓口
  • 口座:ダイレクト納付は、納税者自身の名義の口座だけ(会社の口座)

源泉所得税の納付は、使える方法が少し違います(クレジットカードは、納税の告知を受けていない源泉所得税ではe-Taxからの手続になるなど)。くわしくは「源泉所得税の納付期限」をご覧ください。

自社の納付の期限は、トップの「法人の期限チェッカー」で決算月を選ぶと一覧で確認できます。

参考

この記事は一般的な情報です。会社ごとの判断は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。