申告期限を過ぎてからの申告を、国税庁は 「期限後申告」 と呼んでいます。期限後申告をすると、納める税金のほかに 無申告加算税 がかかることがあり、遅れた日数に応じて 延滞税 もかかります。どちらも、遅れが長いほど、また税務署から連絡が来てからのほうが重くなります。気づいたところで、できるだけ早く申告して納めることがいちばん大事です。
まず、すぐやること
- 本当の期限を確かめる法人税・消費税は、原則として事業年度が終わった日の翌日から2か月以内。土日祝日なら次の平日法人税の申告期限・休日で延びる期限
- 申告書を作って、すぐに出す期限を過ぎても、税務署の「決定」(税務署が税額を決める処分)があるまでは、自分で申告できます(国税通則法18条)
- 出した日のうちに納める延滞税も一緒に納めます国税の納め方
- 地方税も申告・納付する法人住民税・法人事業税も遅れているはずeLTAXで申告・納付する手順
- 一度に納められないときは相談する税務署の徴収の担当へ早めに。条件にあてはまれば、納付の猶予などの制度があります
申告は期限内でも、納付が遅れれば延滞税がかかります。
延滞税:納める日まで日割りでかかる
延滞税 は、税金を期限までに納めなかったときに、利息のようにかかる税金です。期限後申告書や修正申告書を出して納める税額があるときも、法定納期限(法律で決まった納付の期限)の翌日から、実際に納める日まで の日数に応じてかかります。本税(もともとの税金)だけにかかり、加算税にはかかりません。
割合は、法律の割合(年7.3%・年14.6%)と、毎年告示される割合をもとにした割合のうち、低いほうです。国税庁の「延滞税の割合」のページでは、2026年(令和8年)の分は次のとおりです。
納期限の翌日から2か月を経過する日まで
年2.8%2026年1月1日〜12月31日の期間
それより後
年9.1%2026年1月1日〜12月31日の期間
2022年〜2025年の期間は年2.4%・年8.7%。2027年の割合は、国税庁の発表を確かめてください。
ここでいう「納期限」は、期限後申告なら申告書を出した日 です。出してすぐに納めれば低いほうの割合ですみますが、出したあと2か月を過ぎても納めないと、高いほうの割合になります。金額は国税庁の「延滞税の計算方法」のページで確かめられます。
無申告加算税:5%ですむ場合、かからない場合
無申告加算税 は、期限までに申告しなかったことに対してかかる税金です。割合は、税務署から調査の通知が来る前か後か で変わります。
調査の通知の前に、自分から申告
5%納める税金に5%
調査の通知の後
10%〜50万円を超える部分は15%、300万円を超える部分は25%
調査を受けた後・決定を受けた
15%〜50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%
国税通則法66条と国税庁 No.2024 によります。300万円の区分は2024年1月1日以後に法定申告期限が来るものから。過去に加算税を受けたことがある場合などは、さらに加算されることがあります。
期限後申告でも、次の両方にあてはまれば、無申告加算税はかかりません。
- 法定申告期限から1か月以内 に、自主的に申告している
- 期限内に申告する意思があったと認められる。国税庁の説明では、納める税金の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は、期限後申告書を出した日)までに納めていて、過去5年の間に無申告加算税や重加算税を課されたことがなく、この扱いも受けていない場合です
納付は済ませていて申告書だけ出し忘れた、というような場合です。1か月を過ぎるとこの扱いは受けられません。
よくある勘違い
赤字で税金が0円なら、期限を過ぎても問題ない?
赤字でも確定申告書は出す必要があります。加算税や延滞税は納める税額をもとに計算するものですが、申告書を期限までに出さなかったという事実は残ります。次の節のとおり、2期続くと青色申告の承認が取り消される扱いです。
2期続けて期限後だと、青色申告が取り消される
法人税法127条では、確定申告書を期限までに出さなかった場合に、税務署長が青色申告の承認を取り消せるとしています。国税庁の事務運営指針(税務署の仕事の進め方)では、2事業年度続けて期限内に確定申告書を出さなかった場合 に、2期目以後の事業年度から取り消すとしています。
1期目:期限後申告
無申告加算税・延滞税がかかることがある
2期目も期限後申告
2期目以後、青色申告の承認を取り消す扱い
特別な事情があり、今後の適正な申告が期待できる場合などは、個別に判断するとされています。
国税庁 No.5762 では、赤字(欠損金)を翌期以後に繰り越して所得から差し引けるのは、その赤字が出た事業年度に 青色申告書 を出している場合としています(欠損金の繰越し)。1期遅れてしまったら、次の期は早めに準備を始めましょう。
地方税と、加算税の通知
法人事業税は、地方税法72条の31で、提出期限の後でも都道府県の決定の通知があるまでは申告納付できるとしています。納期限の後に納めたときの 延滞金(72条の45)や、不申告加算金(72条の46)の決まりもあります。割合などは都道府県・市区町村に確かめてください。
国税の加算税は、あとから届く通知(賦課決定通知書)が出された日の翌日から1か月以内に納めます(国税通則法35条)。
同じことを繰り返さないよう、期限はトップの「法人の期限チェッカー」や決算月ごとの年間スケジュール(3月決算 など)で一覧にしておき、e-Taxで申告できるようにしておくと安心です(はじめての電子申告の準備)。
参考
- No.9205 延滞税について(国税庁)
- 延滞税の割合(国税庁)
- 延滞税の計算方法(国税庁)
- No.2024 確定申告を忘れたとき(国税庁)
- 申告と納税(国税庁「暮らしの税情報」令和8年度版)
- No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除(国税庁)
- 法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針・国税庁)
- 国税通則法(e-Gov法令検索)
- 法人税法(e-Gov法令検索)
- 地方税法(e-Gov法令検索)
この記事は一般的な情報です。会社ごとの判断は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。