会社の申告や申請をオンラインで出すときは、代表者の 電子証明書 で電子署名をします(電子申告の準備の全体は「はじめての電子申告の準備」)。

一人社長の会社がよく使うのは、社長の マイナンバーカード と、登記所が出す 商業登記電子証明書 の2つです。この記事では、商業登記電子証明書の中身と取り方、マイナンバーカードとの比べ方をまとめます。

登記所の建物と、会社の書類に重なる電子の鍵、マイナンバーカードの形のカードを並べて比べる図

商業登記電子証明書とは

商業登記法12条の2で決められた、登記所の登記官が証明する電子証明書です。会社の代表者が請求でき、本店の所在地を管轄する登記所を経由して請求し、法務大臣が指定した登記所の登記官が証明します(同条5項)。

証明すること

会社の 商号・本店・資格(代表取締役など)・氏名

(商業登記規則9条1項4号・33条の5)

証明しないこと

代表権の範囲や制限に関する定め など

(商業登記規則33条の3)

会社の代表者であることを、電子データで示すための証明書です。

証明期間と手数料

証明期間は、請求する人が次のどちらかから選びます(商業登記規則33条の2)。

  • 1か月
  • 3か月の整数倍(3か月・6か月……で、2年3か月=27か月まで)

手数料は1件500円で、証明期間が1か月を超えると、その超える期間1か月までごとに300円を足します(登記手数料令11条)。

1か月

500円

3か月

1,100円500円+300円×2か月

27か月(最長)

8,300円500円+300円×26か月

登記手数料令11条の決まりにあてはめた額です。

取り方:オンラインか書面か

書面で請求するとき

商業登記規則33条の6では、請求には 申請書 と 電磁的記録(鍵の情報などを記録したデータ)を出すと決めています。

  1. 鍵の情報などを記録した電磁的記録を用意する公開かぎの値、識別符号などを、指定の方式で記録する(規則33条の6第5項)。CDなどの光ディスクか、指定の構造のUSBメモリなどで出す(同条4項)
  2. 申請書を書く商号・本店・資格・氏名、証明期間、手数料の額、年月日、登記所の表示など(同条2項)
  3. 申請書に、登記所に届け出ている会社の印鑑を押す同条3項
  4. 本店の所在地を管轄する登記所に出す電子証明書は、登記官から送信される(規則33条の8)

オンラインで請求するとき

登記・供託オンライン申請システムの案内では、「電子証明書発行申請書」は 申請用総合ソフト で作って出し、電子署名が必須 とされています。

  1. 登記・供託オンライン申請システムで申請者情報を登録する
  2. 申請用総合ソフトをダウンロードする
  3. ソフトで「電子証明書発行申請書」を作る
  4. 電子署名をして送る

電磁的記録の作り方、オンライン請求の電子署名に使える電子証明書、手数料の納め方は、この記事では法務省のページで確かめられませんでした。手続きの前に、法務省と法務局の案内で確かめてください。

登記を変えたときと、使うのをやめるとき

  • 証明書に載っている事項(商号・本店・代表者)を変える登記をすると、そのことが電子認証登記所に知らされます(規則33条の12)。そのあと証明書を使い続けるなら、残りの期間について再度の請求ができます(規則33条の19)。本店移転や代表者の変更の登記(「本店移転」「役員の変更登記」)をしたら、証明書の扱いも確かめます
  • 使うのをやめるときは、使用廃止の届出を書面でできます(規則33条の10)。一時的に使うのを休む届出もあります(規則33条の13)

マイナンバーカードとの使い分け

e-Taxの案内では、法人がe-Taxで申告などを送るときは、法人の代表者の電子証明書 で電子署名をします(税理士が代理で送る場合を除く)。代表者のマイナンバーカード(スマホのマイナンバーカードを含む)のほか、商業登記認証局が発行する電子証明書 や民間の認証局の電子証明書も使えます。

社長のマイナンバーカード

  • 社長 個人 の電子証明書(署名用電子証明書)
  • カードの交付申請の手数料は当面無料(e-Taxの案内)
  • 期限は発行から5回目の誕生日(期限と更新)
  • パソコンで使うならICカードリーダライタがいる

商業登記電子証明書

  • 会社の代表者として の電子証明書(商号・本店・資格・氏名)
  • 手数料は1か月500円から
  • 証明期間は自分で選ぶ(最長27か月)
  • 専用のソフトが必要になる場合がある(e-Taxの案内)

e-Taxでは、どちらも「法人の代表者の電子証明書」として使えます。

よくある勘違い

会社の申告には、会社の電子証明書(商業登記電子証明書)が必ずいる?

e-Taxでは、社長のマイナンバーカードも、法人の代表者の電子証明書として使えます。すでにマイナンバーカードでe-Taxを使っているなら、商業登記電子証明書を取らなくても申告はできます。

どちらが使えるかは、手続きごとに違います。

  • e-Tax:どちらも使える(上のとおり)
  • eLTAX:この記事では、eLTAXの公式ページで使える電子証明書を確かめられませんでした。eLTAXの「電子証明書」の案内で確かめてください
  • 登記のオンライン申請:手続きごとに使える電子証明書が違うと、登記・供託オンライン申請システムの「利用可能な電子証明書」のページで案内されています
  • 社会保険の電子申請:「GビズIDプライム」を使って申請する方法もあります

なお、e-Taxでは、代表者から委任を受けた役員や職員が、電子委任状 を付けて自分の電子署名で送る方法もあります。

参考

この記事は一般的な情報です。会社ごとの判断は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。