会社の本店を移したら、法務局での 登記 と、税務署・都道府県・市町村・年金事務所への 届出 があります。出す先ごとに期限が違うので、まず全体を見ておきます。

出す先と期限の全体

法務局

本店移転の登記:移転の日から2週間以内

オンライン申請もできる

税務署

異動届出書:異動のあと速やかに

給与支払事務所等の移転の届出は1か月以内。e-Taxでも出せる

都道府県・市町村

異動の届出:自治体ごとに違う

例:神奈川県は1か月以内。eLTAXでも出せる

年金事務所

所在地変更届:事実発生から5日以内(管轄外の場合)

社会保険に入っている会社

登記が終わると、年金事務所に付ける登記簿謄本が取れるようになります。

登記は移転の日から2週間以内

法務局の案内では、本店を移転したら、移転の日から2週間以内 に登記を申請します。申請書の日付には、実際に移転した日を書きます。

よくある勘違い

引っ越す前に、先に登記を済ませておける?

できません。法務局の記載例では、本店移転の日より前に、本店移転の登記の申請をすることはできないとされています。

法務局の管轄の外へ移るとき

① 旧本店の登記所あての申請書

登録免許税 3万円

② 新本店の登記所あての申請書

登録免許税 3万円

↓ ①と②を同時に

旧本店の所在地の登記所に出す

②は旧本店の登記所を経由して、新本店の登記所へ送られる

管轄の中で移るときは、申請書は1通(登録免許税3万円)です。

国税庁の登録免許税の税額表では、本店の移転の登記は 1か所につき3万円 です。

必要な書類(株式会社の場合)

法務局の記載例では、主に次のものを付けます。

  • 取締役の過半数の一致を証する書面(取締役会のある会社は取締役会議事録)
  • 株主総会議事録 と 株主リスト:定款を変える場合
  • 委任状:代理人に頼む場合だけ

定款で本店の所在地を最小行政区画(市町村など)まで定めていて、その中で移るときは、株主総会の決議はいらず、株主総会議事録と株主リストも付けません。

オンラインでも申請できる

  1. 準備する代表取締役本人のマイナンバーカードと、ICカードリーダライタ法務局の「申請用総合ソフト」を入れる(初めてのときだけ)
  2. 申請書を作って電子署名をする申請用総合ソフトで作る
  3. 送って、登録免許税を納める登録免許税は電子納付

税務署への届出

異動届出書

速やかに異動前の納税地の税務署へ

「消費税」欄にチェックを付ければ、消費税の異動届出書などを別に出さなくてよい

給与支払事務所等の移転の届出

1か月以内移転前の所在地の税務署へ

役員報酬などの支払事務をする場所も移るとき(くわしく)

都道府県・市町村への届出

都道府県と市町村にも届け出ます。期限や様式は自治体ごとに違います。

  • 神奈川県:届け出た内容が変わったときや事務所を閉じたときは、その事実が生じた日から1か月以内。県内に事務所を新しく設けたときは、開設の日から1か月以内に設立・開設の届出
  • 東京都:都内で本店を移したときは、異動前・異動後のどちらかの都税事務所へ異動届出書を出す。旧本店を残すか閉じるかも書く

ほかの都道府県・市町村へ移るときは、移る前の自治体と、移った先の自治体の両方の窓口で、どの届出を出すかを確かめてください。eLTAXでは、都道府県あて・市町村あての「異動届」を電子申請・届出で出せます。

年金事務所への届出

社会保険に入っている会社は、日本年金機構に 適用事業所名称/所在地変更(訂正)届 を出します(年金事務所の管轄の内か外かで様式が違います)。管轄の外へ移るときは、次のとおりです。

期限

5日以内事実発生から

出す先

変更前の所在地を管轄する年金事務所

付けるもの

法人(商業)登記簿謄本のコピー(提出日からさかのぼって90日以内に発行)

電子申請・郵送・窓口のどれでも出せます。

代表者の住所が変わったときの登記は「役員が変わったときの登記の期限はいつ?」にまとめています。

参考

この記事は一般的な情報です。会社ごとの判断は、法務局・税務署・自治体・年金事務所や、司法書士・税理士などの専門家に確認してください。