個人事業主やフリーランスから会社を作った人、会社を辞めて国民健康保険に入っていた人は、会社で社会保険(健康保険・厚生年金保険)に入ると、それまでの国民健康保険・国民年金から切り替わります。

会社として社会保険に入る手続き(新規適用届・資格取得届)は「社会保険の新規適用届」にまとめています。この記事は、その後に 社長個人と家族 がする手続きの話です。

会社の健康保険証に切り替わり、市区町村の国民健康保険をやめる手続きを示した図

やめる手続きと、入る手続き

会社で社会保険に入ると、医療の保険は国民健康保険から健康保険へ、年金は国民年金の第1号被保険者から第2号被保険者(厚生年金保険に入っている人)へ変わります。届出がいるかどうかは、制度ごとに違います。

やめる手続き(自分でする)

国民健康保険

  • 世帯主が、住所のある市区町村に届け出る
  • 法令では14日以内
  • 家族も一緒に国保に入っていて、扶養に入れるなら、その家族の分も

届出はいらない

国民年金

  • 厚生年金保険に入ると、国民年金にも同時に入る扱いで、手続きは自動
  • まとめて前納していた保険料は、還付請求書が送られてくる

入る手続き(会社がする)

健康保険・厚生年金保険

  • 新規適用届・資格取得届を年金事務所へ(事実発生から5日以内)
  • 配偶者などを扶養に入れるなら、被扶養者(異動)届・第3号被保険者関係届も

協会けんぽ(全国健康保険協会)に入る会社の場合です。

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国民健康保険をやめる手続き

届出をするのは世帯主

国民健康保険法では、健康保険の被保険者になった人は、市区町村の国民健康保険の被保険者になりません(国民健康保険法6条)。国民健康保険の資格は、健康保険の被保険者になった日の翌日に失います(同法8条)。

ただし、資格がなくなっても、市区町村には自動では伝わりません。国民健康保険法施行規則13条では、健康保険に入ったことなどで国民健康保険の資格を失った人があるときは、世帯主が14日以内に、住所のある市区町村に届書を出すと決めています。

  • 加入日会社の健康保険・厚生年金保険に入る国民健康保険の資格は、その翌日に失う
  • 5日以内会社が新規適用届・資格取得届を出す扶養に入れる家族がいれば、その届出も
  • 14日以内世帯主が、市区町村へ国民健康保険をやめる届出受付の方法や持ち物は市区町村ごとの案内で

期限の日数は、日本年金機構の案内(5日以内)と国民健康保険法施行規則(14日以内)によります。

届書に書くこと

施行規則では、届書に次のことを書くとしています。

  • 資格を失った人の氏名・個人番号(マイナンバー)・世帯主との続柄
  • 資格を失った年月日と、その理由
  • 国民健康保険の被保険者記号・番号
  • 届出人の氏名・住所・個人番号と、届け出る年月日

国民健康保険の資格確認書を交付されている場合は、届書に添えます(施行規則15条)。ほかに持っていくものや、窓口・郵送・オンラインのどれで受け付けているかは、市区町村ごとに案内が違います。住所のある市区町村のページで確かめてください。

よくある勘違い

会社の健康保険に入れば、国民健康保険は自然に抜けられる?

資格は法律上なくなりますが、そのことを市区町村に届け出るのは世帯主の役目です(国民健康保険法施行規則13条)。会社が出す社会保険の届出とは別に、自分で届け出ます。

国民健康保険の保険料の精算のしかたも、市区町村ごとに違います。払いすぎや未納の扱いは、届け出るときに窓口で確かめます。

国民年金は届出がいらない

日本年金機構の案内では、厚生年金保険に入っている人も、同時に国民年金に入っていることになります。その加入の手続きは、厚生年金保険に入ったときに 自動的に行われ、本人が国民年金の切り替えの届出をする必要はありません。

国民年金の第1号被保険者は、20歳以上60歳未満で、厚生年金保険などに入っておらず、第3号被保険者でもない人です。会社で厚生年金保険に入った社長は、第2号被保険者になります。

国民年金保険料をまとめて払っていたとき

1年分の国民年金保険料をまとめて払っていて、年度の途中で厚生年金保険に入ったときのように、保険料が重なって納められたことがわかった場合は、日本年金機構から 国民年金保険料還付請求書 が送られてきます。届いたら、必要なことを書いて出します。

家族の手続き(第3号被保険者)

社長の配偶者が、それまで国民年金の第1号被保険者や国民健康保険の被保険者だった場合は、社長の健康保険の 被扶養者 になれるかどうかで手続きが変わります。

扶養に入れるときの条件

日本年金機構の案内では、被扶養者になれるのは、主に社長(被保険者)の収入で生計を立てていて、たとえば次の収入の条件にあてはまる人です。

  • 年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)
  • 同居なら、収入が被保険者の収入の半分未満(別居なら、仕送りの額より少ない)

年間収入は、これから1年間の見込みで考えます。19歳以上23歳未満の人の条件など、細かい決まりは日本年金機構のページで確かめてください。

届出は会社を通して、事実発生から5日以内

配偶者を扶養に入れるときは、「健康保険 被扶養者(異動)届/国民年金 第3号被保険者関係届」を、被保険者(社長)が事業主(会社)を通して日本年金機構に出します。提出時期は 事実発生から5日以内 で、出し先は事務センターか管轄の年金事務所、出し方は電子申請・郵送・窓口です。社長1人の会社では、社長が事業主として出します。

20歳以上60歳未満の配偶者

扶養に入ると、国民年金の 第3号被保険者 になる

本人が保険料を納める必要はないが、第3号被保険者関係届がいる

添付する主な書類

  • 続柄を確かめる書類(戸籍謄本・住民票の写しなど。条件を満たせば省略できる場合あり)
  • 収入を確かめる書類(課税証明書など。事業主の証明で足りる場合あり)

日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき」より。

日本年金機構は、第3号被保険者の届出をしないと、年金が少なくなったり、受けられなくなったりすることがあると注意しています。

配偶者が国民健康保険に入っていた場合は、配偶者の分も国民健康保険をやめる届出をします。健康保険の被扶養者も、国民健康保険の被保険者にならない人に含まれます(国民健康保険法6条)。

扶養に入らない家族

配偶者が扶養の条件にあてはまらない場合は、配偶者は国民年金の第1号被保険者・国民健康保険の被保険者のままです。社長の手続きとは別に、配偶者自身の保険料を納め続けます。

会社として出す届出の全体は「社会保険の新規適用届」、加入後に毎月納める保険料は「社会保険料の納付期限」にまとめています。

参考

この記事は一般的な情報です。会社ごとの判断は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。