一人社長の会社でも、1年分の仕訳を1件ずつ入力するのは大変です。運営者は、自分の会社の1年分の仕訳を、AI(Claude)にブラウザを操作してもらいながら進めました。この記事では、その流れと、人がやったこと・AIに任せたこと、終わったあとに確かめたことを紹介します。

使ったもの

  • 会計ソフト:マネーフォワード クラウド会計
  • AI:Claude(ブラウザの拡張機能で、Chromeを操作できるもの)
  • 連携した口座:会社の銀行口座とクレジットカード

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人がやること・AIに任せること

始める前に、役割を決めておきます。

人(社長)がやること

  • 会計ソフトへのログイン(パスワードはAIに渡さない)
  • 判断が分かれる取引の答え(何に使ったお金か、など)
  • 終わったあとの確認

AIに任せること

  • 取り込まれた明細を1件ずつ読み、勘定科目と税区分の案をつける
  • 案のとおりに登録する
  • 迷う取引を一覧にして、人に聞く

AIには、データの削除や、銀行・カードの連携設定の変更はしないように伝えておきます。

仕訳の作業で、人がやることとAIに任せることを左右に分けた図

流れ

  1. 明細を取り込むマネーフォワード クラウド会計の「データ連携」で、銀行口座とカードを登録します。登録すると、明細が自動で取り込まれます
  2. 「連携サービスから入力」で仕訳をつける取り込まれた明細は、「自動で仕訳」の「連携サービスから入力」に並びます。ここで1件ずつ、勘定科目と税区分を選んで登録すると、仕訳になりますこの画面をAIに開いてもらい、上から順に処理してもらいました
  3. 迷う取引は人に聞くAIが迷った取引は、まとめて質問してもらいました
  4. 自動仕訳のルールをそろえる同じ支払先の取引は、毎回同じ勘定科目になるように、会計ソフトの自動仕訳のルールに登録しておくと、翌年からさらに楽になります

運営者の会社では、半年分ほどの仕訳がたまっていて、全部で200件くらいありました。これをAIにブラウザで進めてもらったところ、2〜3時間で終わりました。

迷いやすい取引

迷いやすいのは、次のような取引です。

  • 社長個人のカードで払った会社の経費
  • 同じ支払先でも、用途が違う支払い(仕事用と私用が混ざるもの)
  • 海外のサービスへの支払い(消費税の扱い)
  • 売上の入金(手数料が差し引かれて振り込まれるもの)

運営者の場合、印象に残ったのは家電量販店での買い物です。カメラのレンズケースなど、仕事にも私用にも使えそうなものが多く、明細の店名だけでは何に使ったのかが分かりません。こうした取引は、AIが勝手に決めずに聞いてくれたので、仕事用かどうかを答えるだけで済みました。

終わったあとに確かめること

AIが登録した仕訳は、最後に人が確かめます。見るのは次のところです。

預金の残高

会計ソフトの残高と、通帳・ネットバンキングの期末の残高が一致しているか

カードの未払いの残高

期末に、まだ引き落とされていない額と合っているか

勘定科目ごとの合計

残高試算表で、極端に大きい・小さい科目がないか

同じ取引が2回登録されていないか

手で入れた仕訳と、取り込んだ明細が重なっていないか

運営者の場合、確認で見つかった間違いはなく、直したところはありませんでした。

やってみて分かったこと

  • 取引の数が少ない会社なら、仕訳の大部分はAIに任せられる
  • 迷う取引は、AIが「迷っている」と言ってくれるので、そこだけ人が判断すればよい
  • 判断の材料(何に使ったお金か)は、人しか知らない。領収書や明細のメモが役に立つ
  • 仕訳が終わっても、決算整理と申告書が残っている

もっと大変で時間がかかると思っていたので、決算の期限より早めに取りかかりました。ところが実際は、思っていたよりずっと楽で、すぐに終わりました。

気をつけたいこと

お金の情報をAIに見せることになる

使うAIサービスの、データの扱いの方針を確かめてから使います

ログインは自分で

パスワードや認証コードは、AIに入力させません

最後は人が確かめる

仕訳の責任は会社にあります。迷うものは税理士に確認します

次は、一人社長の会社でよく出てくる仕訳を、勘定科目ごとにまとめます(「一人社長によくある仕訳」)。連載の全体は「一人社長は自分で決算できる?」にあります。

この記事は運営者の体験と一般的な情報です。会社ごとの判断は、税理士などの専門家に確認してください。