株式会社の取締役には任期があります。任期が終わったら、同じ人がそのまま続ける場合も、役員変更の登記 をし直します。同じ人が続けることを「重任」といい、この登記を重任登記と呼びます。

法務省の案内では、期限は 任期満了から2週間以内 です。取締役が新しく就任したとき・辞任したとき、代表取締役の住所が変わったときの登記は「役員が変わったときの登記の期限はいつ?」にまとめています。

なぜ同じ人でも登記がいるのか

よくある勘違い

社長1人の会社で、同じ人が続けるなら登記はいらない?

いります。法務省は「再任の場合でも役員変更の登記は必要です」と案内しています。社長1人の会社でも、社長自身の重任登記が必要です。

取締役の任期が終わると、いったん役員としての期間が区切られます。株主総会で同じ人を選び直すと、新しい任期が始まります。顔ぶれが変わらなくても、任期の区切りは起きています。

任期の数え方

法務省の案内では、株式会社の取締役の任期は次のとおりです。

原則

選任後2年以内 に終わる事業年度のうち最後のものについての定時株主総会が終わる時まで

株式を自由に譲れない会社(非公開会社)

定款で、これを 選任後10年以内 に終わる事業年度のうち最後のものについての定時株主総会が終わる時まで延ばせる

自分の会社の任期は、定款の「取締役の任期」の条文で確かめます。前回いつ選任されたかは、登記事項証明書で確かめられます。

期限は任期満了から2週間以内

  • 定時株主総会任期が満了する総会で、同じ人を選び直す
  • 2週間以内その日から2週間以内に、重任の登記を申請する

任期は定時株主総会と結びついているので、決算のあとの株主総会(「決算書と株主総会の議事録」)の時期に、任期満了の年かどうかを確かめておくと忘れにくくなります。決算月ごとの1年の流れは「決算月別の年間スケジュール」で確認できます。

忘れたときの過料

法務省の案内では、登記を怠ると、代表者が 100万円以下の過料 に処される可能性があります。

また、最後に登記をしてから 12年 がたった株式会社は、休眠会社の整理の対象になります。届出をしないと、解散したものとみなされ、登記官が解散の登記をします。任期を10年にしている会社は、重任登記を忘れると12年に近づきやすいので注意します。

必要な書類

法務局の申請書の記載例(取締役会を置いていない会社で、株主総会で代表取締役を選び、役員全員が重任するとき)では、主に次のものを付けます。

  • 株主総会の議事録
  • 株主リスト
  • 議長と出席した取締役の 印鑑証明書(議事録に市区町村に届けた印鑑を押した場合。議事録をPDFにして電子署名した場合は不要)
  • 取締役(監査役を置いていれば監査役も)の 就任承諾書(株主総会の議事録に、その場で就任を承諾したことが書いてあれば、議事録を援用して省略できる)

取締役会を置いている会社などは、必要な書類が変わります。法務局の記載例から、自分の会社の作りに近いものを選んで確かめます。

登録免許税

資本金の額が1億円以下の会社

1件 1万円

それ以外の会社

1件 3万円

国税庁の登録免許税の税額表(取締役などに関する事項の変更の登記)によります。

出し方

申請書を作って本店の所在地を管轄する法務局に出すほか、オンラインでも申請できます(オンラインで書類をPDFで付けるときは、作成者全員の電子署名と電子証明書が要ります)。

監査役を置いている会社

監査役にも任期があり、任期が終わったら、同じ人が続ける場合も登記が必要です。一人社長の会社では監査役を置いていないことが多いので、定款と登記事項証明書で確かめます。

参考

この記事は一般的な情報です。会社ごとの判断は、法務局や司法書士などの専門家に確認してください。