法人口座は、申し込めば必ず作れるものではありません。三菱UFJ銀行やGMOあおぞらネット銀行は、口座の開設を断ることがあると案内しています。GMOあおぞらネット銀行は審査結果の詳細を開示しないとしており、みずほ銀行の解説でも審査基準は開示されていないとされています。

この記事で挙げるのは、銀行が公式ページに書いている確認の内容と準備です。これをそろえれば通る、というものではありません。

審査がある理由

金融庁は、法人口座は振込限度額が高く大口の取引が多いため、口座売買や特殊詐欺などの犯罪に不正に使われることがあると説明しています。銀行は、法律にもとづく確認に加えて、口座の不正利用を防ぐために事業の実態を確かめています。

銀行が確かめること

全国銀行協会の案内では、法人の取引で確認する事項は次のとおりです。

  • 会社の名称と本店の所在地
  • 事業の内容
  • 手続きをする人の本人確認
  • 取引の目的
  • 議決権の25%を超えて持つ個人など(実質的支配者)

事業の内容を確かめるために、法律で決まった書類以外の提示を求めることもあるとされています。三菱UFJ銀行は、主たる事業・口座開設の目的・実質的支配者を尋ねると案内しています。

審査に関わるとされている点

みずほ銀行の解説は、次の点を挙げています。審査の詳細を示すものではない、とも断っています。

点 例
書類の不備・不足 履歴事項全部証明書と他の書類の内容が合わない、有効期限が切れている、本人確認書類が古い情報のまま
事業の内容や実態が確かめられない 事業内容が具体的でない、内容を示す資料がない、登記の事業目的と実際の事業が合わない
資本金の額と出所 出所を示す書類がなく、追加の確認を求められることがある
代表者・役員の信用情報 確認される場合がある

申し込む前に用意しておくこと

1. 書類を読み合わせる

入力する内容と登記、本人確認書類を同じにします。PayPay銀行も、申込フォームには必要書類と同じ内容を入力するよう案内しています。発行からの期限(3か月以内・6か月以内など)は銀行ごとに違います。

2. 事業を説明できるようにしておく

何を、誰に、いくらで売るのかを、口頭でも説明できるようにしておきます。Web面談のある銀行では、事業内容を尋ねられます。

3. 第三者にわかる資料をそろえる

GMOあおぞらネット銀行は、事業内容の「具体性」と「客観性」を見ると案内し、次の順に、審査が進みやすい可能性が高い書類として挙げています。

  1. 行政機関発行の許認可証
  2. 締結・調印済みの契約書
  3. ホームページなど
  4. 他社発行の請求書、発注書、納品書
  5. 自社発行の請求書などと、その入出金がわかる口座明細
  6. 会社案内、パンフレット、チラシ
  7. 他社への提案資料、商品企画書
  8. 売上・仕入・活動状況がわかる書類
  9. 事業計画書(書類が用意できない場合)

同じ銀行は、履歴事項全部証明書・定款・法人設立届出書は事業の内容がわからないので受け付けないとしています。楽天銀行は、設立から6か月以内の会社には、ホームページがあっても事業実態の資料を求めます。何が使えるかは銀行によって違うので、申し込む銀行の案内で確かめます。

4. 許認可がいる業種は完了を示す

三菱UFJ銀行は、許認可・届出・登録が必要な業種には、完了が確認できる資料を求めています。

5. 資本金の出所を示せるようにする

みずほ銀行の解説は、通帳のコピーや振込明細などを例に挙げています。

住所がバーチャルオフィスのとき

「バーチャルオフィスの住所で法人口座は作れる?」にまとめています。

口座を比べる

銀行ごとの手数料や申し込み方法は「一人社長の法人口座」に並べています。審査の通りやすさは公表されていないため、比べる項目に入れていません。

参考

この記事は一般的な情報です。審査の結果を約束するものではありません。くわしくは申し込む銀行の公式ページで確認してください。